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庭の鳩に餌をあげないでください

地球外少年少女の話

最近マジでクソ忙しいので本当はアニメの話してる場合ではないのだがめちゃくちゃ刺さったので地球外少年少女の話をします。

基本的にネタバレが大量に含まれているので地球外少年少女6話までを見た人以外は読まないほうがいいです。

ナサ・ヒューストン

セブンポエム内で死が決定されていた、ということだが、それ以上に彼女が行うべき役割はおそらくあの場でのダッキーの知能リミッターの解除、つまりはルナティックの誘発。

大量のスマートを用いた物量攻撃をなんでわざわざ長い時間かけて設置したのかでいえば、その圧倒的な物量を覆すための知能(計算量とでもいえばいいのか?)を引き出させる必要があったためだろうなと思う。けど、マジで死んだのか?については懐疑的。彼女はあまり嘘をつかなかった印象があり、そして嘘をついたのは心葉と自身の死についてのみ。

死、というのがあまりテーマな作品に思えず、死亡したということになっているけど本当に死亡したのか、それとも生存しているのか、あるいは『死んだ』のは『あの』ナサ・ヒューストンのみなのか、というあたりが不明瞭。肋骨の損傷以上に突然の吐血などを鑑みるに、なんらかの生体デバイス的な顕現をしていた可能性すらあるなと思っている。

人類と人間

セカンドの語る人類と人間、トウヤくんは結局答えを出さずにいたが、個人的な見解でいうと人類を認識できているセカンドが人間に対して不理解なのは結構違和感があり、おそらく人間も理解した上で、人類と別フレームで捉えている。

それは、セカンドにとっておそらく人類とはゆりかごを飛び出す、あるいは飛び出した知性体を含めたフレームで、作中当時含まれていたのはトウヤ、心葉、ダッキーだけだったのではないか。だからこそセカンドがコミュニケーションを取ったのはその3人類だけだった。それ以外は人間であり、それは管理すべき家畜あるいは保護すべき生き物あるいは少々減らすべき野生の動物であり、今現在人類がクジラに取っている態度に近い。クジラがいくら高度な知能を持った生き物でも、ポジションによってその扱いは別であり、セカンドは環境保護の観点から個体数を削減すべき動物に見え、トウヤくんからは未だ保護すべき愛玩動物に見えている。

トウヤくんが自己を人間と定義しているかは定かではないが、地球人と人間くらいの違いは根底には抱えていそうだったなというところ。

だが待ってほしい。セカンドがコミュニケーションしていた人類は何も上記3名だけではない。まだジョンドゥがいる。

ジョンドゥ

全貌が一切不明のまま終わったが、その1人としてナサ・ヒューストンがいる。ということだけわかっている。

ジョンドゥだけがセブンポエムを解読した、信じるものは救われる、というがある種の確証バイアス的に解読された可能性のあるセブンポエムがなぜあれほどまでに実現性の高い未来予測として機能しているのか、が気になっている。

人類に解読不能死海文書的挙動を示し、かつ解読したとしても分岐的な未来予測としてしか機能していないセブンポエムを、分岐も含めた解像度の高い時系列情報として解読できることに強い違和感がある。セブンはファーストもセカンドも11次元の思考を持ち、彼らが生で出力する情報にはおそらく過去も未来も存在しない。そのいわば生データ的なものを人類の理解できる時系列情報に落とし込めている時点で、ジョンドゥ(あるいはナサ・ヒューストン)はある種トウヤくんと似たようなルナティックを起こした人類かなにかなのではないか?という仮設がある。

もしそうだとするなら、人類がルナティックを起こすためには S パターンを取り込む必要があるはずで、その素養は死亡したムーンチャイルドにしかないはず(心葉は自己に埋め込まれているインプラントを利用して S パターンを取り込んでいる。それにアクセスしたトウヤも同様)。ジョンドゥがなぜ『名無し』なのか、死亡して『名前』は失われているから?などと考えている。

フィッツ

エストニアに起業しているところがなんともらしいというかなんというか……w

それはそれとして、フィッツによって開発されたインプラントによって若年層ばかりが地球外進出していて実に人口の 36% 強が地球外に脱出している、という説明。これはかなりやばい感じがしていおり、その先にある未来は『老いてゆりかごを出る勇気と体力を失った旧人類の住む地球』だ。それは劣った生物のホスピスであり、ゆりかごとしての機能より保護対象、あるいは地球に有用性があれば『邪魔な旧支配者』の発生にもつながる。

フィッツという言葉を忘れるな、フィッツとは……というところが語られないまま、印象深い名前としてトウヤは社名に採用しているが、果たしてそれは福音なのか、呪いの名なのかは気になるところである。本当に社名に『フィッツ』を採用してよかったのだろうか。

セカンドの発電方法

劇中ラストで心葉とトウヤが研究課題にしている、彗星の発電方法。これの原理が解明できるとエネルギー革命が起こることは想像に難くないが、そのエネルギーを得た場合、月及び地球外少年少女たちは地球というエネルギーリソースが必要なくなる。

それ、ほんとに解明しちゃって大丈夫?という気がめちゃくちゃしている。

一旦

気になったのはこんなもん。他にも見返せばいろいろ気になるところが出てくるかもしれない。とにかくめちゃ面白かったです。